ナグネの日記

ナグネ=나그네=旅人=Traveller

【2度目のパリ】2017.12.10 パリ4日目

ナグネです。

7時に起床してシャワーを浴びる。時間があったので日本に送るポストカードの宛名を書く。9時過ぎにユリさんを迎えに行き、近くのPAULでパンを食べる。そして、Uberを使ってギュスターヴ・モロー美術館へ。

f:id:nagune1990:20180312192244j:plain

f:id:nagune1990:20180312192530j:plain

10時過ぎに到着し入ってみると、まだだれも来ていないのか貸ロッカーは全て空いていた。上着と荷物を預けて中に入る。

この美術館には、ギュスターヴ・モローの家に彼の集めたコレクションと彼自身の作品が壁一面に所狭しと飾られている。アジアのコレクションも多く、それが彼の作品の中にも見て取ることができた。彼の作品の特徴は暗い色が多いということ。でも、暗い絵という印象はなく、僅かに使われている明るい色を効果的に照らし出している不思議な作品が多かった。おととい、ANSHINDOのサオリさんから話を聞くまで全く知らなかったギュスターヴ・モロー。かなり気に入りました。この感想を伝えるために、今日は再びANSHINDOに行く。昨日、ジュンさんも行ってみたいと言っていたので一緒に行くことになっている。ユリさんとは美術館の最寄駅で別れ、ジンさんと落ち合うためにオペラ座の近くのデカトロンという大型スポーツショップへ行く。

f:id:nagune1990:20180312192805j:plain

f:id:nagune1990:20180312192846j:plain

f:id:nagune1990:20180312192946j:plain

f:id:nagune1990:20180312193154j:plain

f:id:nagune1990:20180312193234j:plain

美術館からデカトロンまでは歩いて行き、12時頃に到着。ジンさんが来るまでまだ時間があったので、趣味のトレイルランニングのコーナーを物色する。体にぴたっとフィットするTシャツ15ユーロ程度とお手頃な値段で売っていたので、2枚購入。そうしているうちにジンさんが到着したので店を出る。

f:id:nagune1990:20180312193309j:plain

ANSHINDOでは買うつもりはないので、手土産を持っていくことにした。マドレーヌ寺院の周りを1周してみつけたマカロン屋さんに入り、5個で9.5ユーロのお菓子を購入。それを持ってANSHINDOへ。

f:id:nagune1990:20180312193504j:plain

店の前に行くと、サオリさんが2重ドアを開けてくれた。手土産を渡し、イスに座らせてもらう。またまた、紅茶をご馳走になった。ジュンさんはさすがで、一口飲んだだけでマリアージュ フレールの紅茶だとわかるのだ。

時計も好きで、中古で買ったロレックスを持っているそうだけど、定価が上がり続けているので買った時よりも値段が上がり続けているらしい。サオリさんもヨーロッパの人は財産を時計にして何かあったときは時計をはめて逃げるということを考えている人がいると言っていた。あと、ロレックスは一度も値下げをしたことのないブランドだとも教えてくれた。

今日は店長さんもいて、昨日のシャンゼリゼ通りでのパレードのことを教えてくれた。そのパレードはフランスで有名なロック歌手のジョニー・アリディが12月5日になくなり、その追悼式として行われたそうで、ニュース映像を見るとさながら映画のワンシーンのようだったと言っていた。マクロン大統領や、サルコジやオランドも参列していたそうで、パリでは文化人に対しての敬意の表し方が日本とは違うと思った。日本では誰が亡くなればこんなことになるのか。そのジョニー・アリディはANSHINDOのお客さんでもあったらしく、本当なら今月も来るはずだったとのこと。残念。

この店に来るのは3回目になるけど、今日初めて時計を見た。日本では取り扱いのないTuderというブランドもあって、その中でいいなと思うものがあったので、その1本といくつかを試させてもらう。

Tuderはロレックスから分社したブランドで、質が良い割にはまだお手頃。今買えば値段は上がると店長さんはハッキリと言った。最初気になった1本を試着してみると、すごくしっくりした。ジュンさんからは「文豪みたいで似合ってんじゃん」と言われた。そして、ANSHINDO Parisでは日本人に対しては16%もの免税がある。

その時計を単純に気に入ったし、日本ではほとんど着けている人がいなくて、免税のお陰でなんとか手に届く値段。しかも目の前に可愛い店員さんがいる。そこでナグネは男になった。「買います。」

買うと決めてからはいろいろな妄想が巡る。これを着けるからには、それに見合った生活がしたい。なにも羽振りの良い生活がしたいというわけではなく、恥ずかしくない生活がしたい。好きな人やモノに囲まれて、いらないモノや習慣をなくしていくことで、自分に良いことを引き寄せていく。たかが時計ではあるけれど、意識を変える買い物になると思う。

その後、サオリさんからシャンパンをご馳走になり、ジュンさんと乾杯する。

購入手続き中、ジンさんはロレックスのチェリーニを試していた。3本試して付けるたびに「プー!」という声を上げていた。どうやら人は心から欲しいモノがあると、独創的な感嘆詞を生み出すらしい。今日は買わなかったけど、今後新しい仕事で成功を収めるためのモチベーションにはなったのかな。

店には2時間くらいいて、いろんなことを話したのだけど、ギュスターヴ・モロー美術館がよかったというのは忘れずにサオリさんに伝えておいた。彼女は美大を卒業して2年間日本で働いたあと、ワーキングホリデーでパリに来てANSHINDOで働いているそうだ。ワーホリって日本食レストランで働くことになるイメージがあったから意外だった。彼女にとっては絶対良い経験になると思う。

買った時計を受け取って店を出たのが16時頃。この後どうしようかとヒデさん達に連絡を取ると、シン君が今ルーヴルに居て、あと30分で空港に向かうと言うので最後に会いにいく。店を出ると目の前に物々しい黒塗りの車が沢山。メキシコの大統領が来ているらしい。

f:id:nagune1990:20180312193910j:plain

急ぎ足で歩いて、カルーゼル・ド・ルーヴルへ。昨日ここに入れなかったのはボヤ騒ぎがあったかららしいけど、何事も無かったかのように今日はすごく人が多い。ピラミッドのところにマリさんがいた。昨日で美術展は中止になってしまったそうで、展示してあった写真は回収してマリさんが持っていた。その作者のヒデさん達家族は閉館時間ギリギリだったルーヴルに入ってしまい、身動きが取れずに困っている様子。その後間もなく、シンくんが現れた。フライトは19時と聞いていたけれど、もうすぐ17時。会って数分でお別れした。そして、マリさんは写真を置きに家に戻るというので、僕も買った時計を部屋に置くために戻ることにした。地上に出て一旦、解散する。外は強い雨が降っていた。

部屋に戻ると18時。この後、バレエの当日券を狙ってオペラ座に行くつもりだったけど、疲れて動きたくない。ユリさんにごめんなさいして、ジュンさん達が行くと言っていたラーメン屋に合流させてもらうことにした。これが、今回のパリ最後の晩餐。

ラーメン屋の最寄り駅のOdeonには19時過ぎに到着。店に向かって歩いているとジンさんとヒデさん家族と合流できた。マリさんは15分くらい遅れて到着。全員揃ったところで、Kodawari ramenに入る。

f:id:nagune1990:20180312194115j:plain

f:id:nagune1990:20180312194147j:plain

f:id:nagune1990:20180312194220j:plain

マリさんはルーヴルから自宅までUberを使ったようだけど、突然の雨ですごく値上がりしたらしい。普段は数ユーロの区間が30ユーロ以上高かったらしい。Uberは需要と供給によって値段が変動するシステムのようだ。

Kodawari ramenは内装が昭和レトロな感じ。日本人からするとラーメンは和食ではないので少し違和感がある。

f:id:nagune1990:20180312194308j:plain

佃煮とビール、にぼし白湯鶏チャーシューのせを注文。佃煮は昆布と椎茸のもので、甘辛いイメージでいたらマリネの様な感じでビールには少し物足りない。ラーメンは日本と違ってかなり出てくるのが遅い。フランスでは麺類を急いで食べるものとは思っていないらしい。話していると待つのは苦にならないが、今日はパンと紅茶とシャンパンしか口にしていないので腹は減っている。

となりはマリさんだったのでフランスのことをいろいろ教えてもらった。まずは旦那さんの話。大手日系企業に20年以上勤めていてあまりフランス人らしくないらしい。遅刻は許さないどころか、出掛けるって言ってた時間より早く出かけようとするくらいせっかちだと言っていた。それだけ長く日本の企業風土にさらされると日本人より日本人になるのかな。

フランス人の恋愛観についても聞くと、フランス人は恋愛していないとおかしいと思われるみたいで、彼女はいらないとかいうとすごく不思議がられるそうだ。友達に彼女がいない人がいると周りが頑張って働きかけたりするらしい。日本ではそういうことってあんまりない。

あとは、ヘミングウェイの「移動祝祭日」という小説を教えてくれた。その中に出てくるパリの名所が現在も残っているところがあって楽しめるとのこと。帰ったら読んでみたい。

f:id:nagune1990:20180312194408j:plain

店を出てギャラリー通りを歩く。その中に空の写真が1枚だけ飾られたギャラリーがあった。そこに飾られている写真は1000万円以上するそうだ。本当に普段暮らしている世界とは違う。

f:id:nagune1990:20180312194527j:plain

そして、今回のパリではこれでみんなとはお別れ。でもまたすぐにでもパリで会いたい。

名残惜しみつつ部屋に戻って明日の準備をする。

f:id:nagune1990:20180312194617j:plain

f:id:nagune1990:20180312194659j:plain

今日もありがとう。